俺のボディガードは陰陽師。~第四幕・夜に抗う~

すべては計算通り

★★★







『我々の勝利だ。…リグ・ヴェーダ!』




麗華さんを引き連れて姿を現し、勝利宣言を突きつけてしまったのは…なずなの陰陽師の兄弟子であり、上司でもある菩提さんだった。



我々の勝利?

…それは、何故?



だって、パワーストーンも壊され…。



…いや。

薄々気付いている。

この壊されたパワーストーンの正体を。



今の一言で、黒い翼の彼も気付いたかと思う。



「…ふーん?」



翼をバタバタと音を鳴らして降下してくる。

そして、地上に降り立ち、羽根を下げた。



「これは、ニセモノだったってこと…」



黒い翼の彼は、笑ってもおらず怒っている表情でもない。

ただの無、のような表情。

そんな彼を見て、菩提さんはクスリと笑う。



「ご名答。今更遅いけどね?」



…やはり。

こんなご大層に結界を張ってお護りしていたパワーストーンは、ニセモノ…!



「…おかしいと思わなかったの?こんなに堂々と屋上に剥き出しに置いてあるなんて?」


< 325 / 528 >

この作品をシェア

pagetop