俺のボディガードは陰陽師。~第四幕・夜に抗う~
「てっきり僕とそんなにケンカしたいのかと思ってた。…フザけたマネしちゃって」
「フザけてる?それはおまえの存在そのものだろうが。それに、ケンカじゃない」
「え?ケンカじゃない?」
「…駆るんだよ。おまえを」
「駆る…?」
駆る、とは。
この場での意味とは、追い立てる、追い詰めるとか。
強いてある行動を取らせる、とかそういう意味だろうか。
この場でこう用いることは、他にも適した言葉があって、微妙かもしれない。
しかし、何となくイメージがついたのは、その裏の言葉だ。
『駆る』だけではなく、『狩る』の意味もあるのではないかと。
「ふーん…そんなに僕の命が欲しい?」
すると、彼はとても不可解な行動に出るのだった。
「なっ…!」
と、思わず声に出したくなる。
「…ほら、どうぞ?」
両腕をバッと開いて、自分の胸をグッと菩提さんに向かって突き出す。
ニヤリと笑って、その表情はとても挑戦的だ。
何を…敢えて身を突き出す?!