俺のボディガードは陰陽師。~第四幕・夜に抗う~
《すべては計算通り》
だから、駆る…か。
「…そしておまえは、我々に宣戦布告をし、今日現れた。ダミーのパワーストーンをも本物と信じ切って。…そりゃあ、それを見越してこっちも兵を揃えるよ」
「へぇ?やる気十分だったんだね?」
「…そうさ?おまえを手の上で転がし、追い立てるためにな?…心乱され、腹が立っただろう?半身と崇めていた女の仇が現れて?慣れない近距離接近戦で、イライラしただろう?」
「………」
仇…。
俺の背後霊となっている、残念女をチラッと見る。
あと、向こうで戦闘中の竜堂の姿をも。
え…その言い方。
この二人と相対させたのは、最初っからの目論みだったのか?
仇である彼女を敢えて目の前に登場させることで、怒りを誘い。
自分の苦手とする戦いを強いられ、苛立たせる。
すべて、それを計算に入れていたのか?
しかし、それは何故だ?
彼を苛立たせて心を乱す事によって、得られる結果。
それは、何なんだ…?
「…随分趣味悪いよね?僕に嫌がらせ?」