俺のボディガードは陰陽師。~第四幕・夜に抗う~
今、一瞬だけ。
ピリッとした不穏な空気が通り過ぎた。
黒い翼の彼の表情が一瞬だけ、強張ったような気がする。
「…へぇ?…僕の連れてきた同志を減らす?…何のために?」
「言葉そのまま。戦力の減殺だ」
「へぇ?…そういうこと?なるほど。僕が現場に引き連れてきた同志を、姿を現した連中を片っ端から叩く、ってこと?」
「あぁ、そうだ」
「こちらの戦力は如何程か、知りもしないのに?…それは不毛過ぎる作戦だって思わなかったの?」
彼の静かな反論に、菩提さんは悪い笑みそのままだ。
ひょっとしたら、この人が一番悪者感があるかもしれない。
って、本人には絶対言えませんが。
「…大体の目星は付けている。…おまえは大方、時限の狭間を通過してこっちに戻ってきたんだろう?…その翼に、お仲間の魔族達を隠して。…だとしたら、上限20人ほど」
「…あ、わかってたの」
「20人ほどなら、我々か時間をかけても潰せない人数じゃない」
「…僕ではなく、先に僕のお仲間を狙うことに、何の意味があるの」