俺のボディガードは陰陽師。~第四幕・夜に抗う~
「…もし、怒りに任せてここでおまえの命を獲ったとしたら、おまえが連れてきたお仲間魔族たちが散り散りバラバラになり、無差別に人間を襲いかねない。そうなると厄介だからな?…逆に、おまえがこの世界に戻ってきてから半年弱、爆発的に魔族が動いた形跡がない。…どうせおまえが上手いこと言って、取り敢えず魔族たちの統率が取れているんだろう。…何をエサにしているかは知らないが」
「………」
「…我々が『紫の門』を死守すれば、魔界への通り道は開かず、おまえのお仲間も増えることはない。効率良く戦力を削れるというわけだ」
そうか。
黒い翼の彼が連れてきた推定20人のお仲間たちは、爆発的な動きを見せてないのは、彼がちゃんとお仲間をまとめ上げているから、なのか。
だが、ここで彼を討ち、彼がいなくなると。
その統制が取れなくなり、魔族たちはそれぞれ自分の好きなように動いてしまう。
人間を食べたい魔族たち。
無差別に人間を襲い出すので、厄介。ということか。
なので…統率か取れているうちに、彼の周りの戦力を叩く。
減らしていけば、今後のために有利になると。