俺のボディガードは陰陽師。~第四幕・夜に抗う~
…だから、川越さんは次々とお仲間を引っ張り出したかったのか。
一人でも多く、兵隊を減らし。
彼を追い詰める。
先の先を見据えた戦況の展開。
…普通、そこまで考える?
一石何鳥獲るつもり?
「…壱丸デパートの件で一体、北桜学園の件で二体…本日、俺が先程一体、東雁来で三体、玲於奈が一体。…先程、哲太が相殺した一体…最低でも計九体?…あぁ、あと二体、まだ戦ってるね?」
菩提さんは、黒い翼の彼の向こう、奥を指差す。
そこは、未だ戦場となっている模様で。
奥からメキメキと嫌な音がする。
「うっ、うああぁぁっ!」
鼠鬼が、超巨大な蛇に体をぐるぐる巻かれており、そのまま力の限り締め付けられていた。
そして、ゴホッと咳き込む。
吐き出してしまった黒い羽根が、口の周りに付着していた。
蛇、さっきより大きくなってる…!
傍では、川越さんがスーツのポケットに手を入れたまま、その様子を見上げていた。
いつの間に優勢になっていたんだ!
そして、もう一方は。
「ぐっ…ぐはあぁぁっ…」