俺のボディガードは陰陽師。~第四幕・夜に抗う~

だが、味方から脅威に晒されかけているにも関わらず、川越さんは「あはは」と笑っている。



「桃李、いつも面白いことやってくれるね」

「…そんな問題?!」

「て、て、哲太くん!その魔族から手を離すよう羅伽蛇に言って下さいっ!」

「あはは。はいはい。…羅伽蛇!」

失笑しながらも、川越さんはポケットから手を出し、巨大蛇に声を掛けてレーザーの方向を指差す。

すると、川越さんの要請通り、巨大蛇は締め上げていた鼠鬼を迫り来るレーザーに向かってポーンと放り投げた。

「うわあぁぁっ!」と、悲鳴と共に弦レーザーの方へと弧を描いて飛んでいく鼠鬼。

竪琴の弦は、飛んできた鼠鬼を先程同様、その身を囲って捕らえる。

再び短く光を放ち、あっという間にその存在を消した。



「あ、危ねっ。危機一髪…桃李てめえぇぇっ!」

力の暴走という結末に、竜堂が怒号を飛ばすが。

「はわわわわ…わわわ…」

しかし、彼女は謝るどころか、変な呻き声をあげながら、その場にパタッと仰向けに倒れた。

「あ、エネルギー切れだ。二体一気に相殺して張り切り過ぎたから」

「と、桃李ちゃん!」

大の字になって倒れている彼女は、白目を剥いていた。

なんて結末だ…。


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