俺のボディガードは陰陽師。~第四幕・夜に抗う~
なずなのために。
何か、したかった。
助けたかったんだ…。
冷静になって、自分の感情が整理出来ると、途端に悲しくなって。
目頭が熱くなって、視界が滲んできた。
「うっ…うあぁっ…」
堪えきれず、涙が溢れ落ちたところで。
兄貴は黙って、抱き寄せて肩を貸してくれる。
「よしよし」と、子供みたいに頭を撫でられたけど。
それについ甘えてしまって、顔を埋めたまま声を出して泣いてしまった。
事を終えて静かになった屋上は、俺の泣き声だけが響いていて。
割れて地に散らばった、ニセモノのパワーストーンの欠片が、灯に照らされて寂しく光っていた。