俺のボディガードは陰陽師。~第四幕・夜に抗う~
ここオガサワラリゾートのホテルの屋上で繰り広げられた、パワーストーン争奪攻防戦は黒い翼の彼の連れてきたお仲間は殲滅、本人を撃退というカタチで幕引きとなった。
だが、黒い翼の彼の鴆毒とやらによってなずなが意識不明の重体となり。
それから、みんな慌ただしく屋上から出て行く。
いつの間にか来ていて、登場するなり俺に恫喝された親父も、またいつの間にかいなくなっていて。
悲しくて悔しくて、ついつい泣いてしまった俺は、兄貴に肩を借りたままでいて。
気付けばこの屋上には、そんな俺と兄貴しか残されていなかった。
「だいぶ落ち着いたの?」
「うん…」
「ならよかった」
兄貴にハンカチを借りて、涙だらけのその目を拭う。
しかし。
こんな歳にもなって、声を出して泣くとか。
カッコ悪いなぁ…。
しかも、兄貴に慰めてもらうとか。
残念過ぎる次第だよ。
ずーんと落ち込む。
「兄貴…ごめん」
「いーんだよ。だって俺、お兄ちゃんだもん」
そう言って、背中を優しくポンと叩かれる。