俺のボディガードは陰陽師。~第四幕・夜に抗う~
そして、例のごとく、忠晴に見守られながらだいぶ遅くなった夕食を食べる。
少し離れた向こうでは、親父たちがしっぽりと飲み会を続けていた。
『おいおい優、もう酔っ払ってるとか早くないか?』
『そう?まだまだイケるよー。一晩中飲み明かそう!ってねー』
『おまえなぁ…。最近いろいろ取り込んで忙しくしてるんだろ?おまえの弟子が今日会社に来た時に話してたぞ?疲れてるんじゃないのか?』
『うーん…全然っ』
…と、言いながらも。
おじさんは、天を仰いでいた。
無言で、黙って。
ただ、天井を見上げている。
その横顔は、どこか淋しそうにも見えた。
『…ねぇ、士朗?』
『ん?何だ?』
『…やっぱり、世の中平穏が一番。平凡も一番…だよね。』
『…ああ』
『毎日同じ事の繰り返し上等。それが一番の平和。…なのにさ。何でこの尊さをわかってくれない人もいるんだろうか』
『優…』
『世界は、こんなに綺麗なのに』
…そのセリフが、頭に焼き付いて妙に離れなくなってしまった。
しかし、複雑なお年頃を迎えている俺自身が、それを実感するのは、すぐの話。