俺のボディガードは陰陽師。~第四幕・夜に抗う~
「…優さんも、伶士くんには久々に会いたかったんじゃないでしょうか?」
そう話し掛けながら、カーテンをサラサラと静かに開けた。
「…伶士くん。知ってると思うけど、こちらは我が音宮陰陽事務所の所長」
ゆっくりと、その向こうが開かれる。
「…音宮優、なずなの父です」
(あぁっ…)
《あいつの親父さん、三年近く入院してんの知ってる?》
ベッドに横たわる、その姿は。
《食らったら、目が醒めなくなるっ…うちの親父みたいに!》
何となく、想像はついていた。
《私はおまえを許さない!親父の意識を奪って…》
《ただおまえをブッ殺して親父の術を解く…ただそれだけだ!》
実際に目にすると、やはり愕然とさせられる。
息が詰まって、フラッとしたが、ここであからさまに悲しんでしまってはいけない。
もっと…悲しみたい人はいるんだ。
でも、そんなこと。
頭でわかってるのに…!
「お…おじさんっ!何でっ!」