俺のボディガードは陰陽師。~第四幕・夜に抗う~

やがて、室内中を埋め尽くすまでに拡がったオーラは、その姿を変える。

金色の…華。

無数の金色の蓮の華が、魔法陣上に現れた半人半鳥に向けられる。



『緊那羅『相殺』…【無双華】』



声に反応して、金色の蓮の華は一斉に弾ける。

辺りは一瞬で、金色の光に包まれた。



『ああぁぁ…何てことだ!』

『我々の契約が、妨げられた!』



連中がどよめくのも無理はない。

魔法陣の上には、あの半人半鳥は姿を消していて。

先程の女子高生が、力尽きて倒れている姿のみだった。



確かに魔族と同化したはずなのに、なぜ元の姿に…?!



『ゆ…許されざる侵入者!』

『…あ、おい!やめろ!』



怒りと混乱を頭に抱えたからか、連中の一人がおじさんに歯向かって行く。

しかし、それを遮るかのように、またあの金色の蓮の華が、連中の一人を囲い込み、光を放つ。



『…ああああっ!』



悲鳴をあげて、光が消えたその姿は。

左腕一本と部分的に身体の一部を無くした、人間の姿だった。

…恐らく、契約で魔族に献上した体の部分は残らなかったんだろう。


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