俺のボディガードは陰陽師。~第四幕・夜に抗う~
冷たい目で見下ろしながら、その事実を告げる。
『…この『相殺』は、魔力を分解して滅する術…なので、君たちに仕掛けると、魔力の帯びていた部分が分解され、君たちは魔力を失う…』
せっかく、契約で手に入れた魔力を。
この男は…『神童』は自分たちから取り上げ、愚かな人間に戻す。
それは…許されない!
「…恐らく、この一件で連中は『神童』が脅威だと理解した。だから、巧妙に優さんを襲ったんだ。…大切にしている人を盾に」
「………」
そういう背景があって、こう繋がっていたなんて。
でも、だからって。
彼らにとっては脅威だからって。
何でおじさんがこんな目に合わなくちゃいけないんだ?
何で、どうして…?
って、それだけじゃ納得出来ないことばかりだ。
「…何で、彼らはこの世界を、人間を滅ぼしたいんですか…?」
納得出来ないことのひとつを、思わず口にしてしまう。
菩提さんは、眠っているおじさんの顔をじっと見つめたまま、口を徐に開く。
「さあ…わかるようで、わからないな」