俺のボディガードは陰陽師。~第四幕・夜に抗う~

「そうだね。予知夢を見ることもあれば、いくつかの夢を見て、その選択権を与えられる。…未来は、夢見の思うまま」

「………」

思うまま…。

…でも、場合によっては。使い方によっては、恐ろしいモノとなるわけで。

しかも、戦争中だろ?



「…まさか!」

「そう。戦勝の采配は、夢見の『予知夢』と『選択』に委ねられていた」



戦争の采配を、一人の少女が?

しかも、その胡散臭そうな『予知夢』で?



「『夢見』と言っても、その力を持って繋いでいる一族は各地にいるんだ。ピンキリだけどね?」



ーーその中でも。

天皇、日本軍政府が抱えていたのは。

『夢見』の最高峰と呼ばれる、『夢殿』の一族。

その『予知夢』は、的中率が高く、より具現化した内容の夢を見ることが出来る。

それだけではなく、夢の中、他人の精神世界に入り込み、記憶を操作し、思考を読み取ったり、幻覚を見せて錯乱させることも出来る『夢渡り』の力も備え。

女子のみとされてきた『夢見』の能力を、男子にも継承することのできる、唯一の一族。

『夢殿』は、天皇の寝殿という意味だという。

< 405 / 528 >

この作品をシェア

pagetop