俺のボディガードは陰陽師。~第四幕・夜に抗う~


それからというもの、『夢見』を、神の導きを失った日本軍は、その勢いを失う。

幾度となく敗戦を喫し、目に見えるようにずるずると戦況が劣勢となっていき。

そして、降伏の日を迎えるのであった。





…おいおい、嘘だろ。

たかが予知夢失くしただけで、大戦争に負けちまうのかよ。

いや、それほどこの『夢見』の能力というものがいかに凄く、皆がそれに依存しきっていたという結果が。



「…そして、戦争に負けたことによって、大日本帝国は、連合国の占領下となり、帝国主義の思想を奪われる。…よって、『夢殿』の存在は、新しく改革される国にはもう必要無くなったんだ。まあ、あれよあれよと敗戦に陥っていったので、美頼が責務を放棄したことを咎めている場合じゃなかった。結果、美頼は上手く逃げることが出来たんだよ」

「それは随分うまい話で…」

「まあ…美頼は、それをも予知した上で、逃げたんじゃないかって説もある」






一方、『夢殿』の美頼はというと。

自分と幸せを紡ぐこととなる橘喜朗に出会うことが出来た。



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