俺のボディガードは陰陽師。~第四幕・夜に抗う~

夢の中でしか会った事がなく、直に会うのは初めてだったはずなのに、二人とも見えない何かに惹かれ合い、恋仲となるのはあっという間だったという。



そして…二人は一緒になる。



小さな地方財閥の御曹司だった喜朗は、美頼を娶り、橘財閥の跡取りとなった。

だが、二人が経営に関わるなり、財閥は急速に発展していき。

やがて日本の顔となる、橘グループを築き上げる。

四人の子を儲け、長男は現在のグループ総帥、橘蒼士。





「…え?じいちゃん?…二人の子供が、じいちゃん?!」



これで、繋がってしまった。



「そう。…つまり、『夢殿』の美頼は、伶士くん。君の曾祖母に当たる」

「…えぇっ!」



父方の曾祖母が、予知夢見て戦争を指揮した少女だったっていうのか?!

じいちゃんからだって、親父からだって、そんな事、一言も聞いたことない!

曾祖母は体が弱く、親父が子供の頃に亡くなったと聞いていた。

曾祖父も、ほんの数年前に亡くなってる。



そんな『夢見』の姫が。

俺のご先祖さま…!



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