俺のボディガードは陰陽師。~第四幕・夜に抗う~
「驚くよね?…でも話はこれで終わりじゃない」
「はぁ…」
菩提さんから伝えられる話は、まだ続く。
「…この『夢殿』の力は、血統をもって継承されていく。直系を辿って」
「直系…」
と、いうと。
その子供や孫たち。
じいちゃんや、その兄弟。
それに、親父や従兄弟のおじさんおばさんたち…。
「『夢殿』は、その生を終えた後に後世へと力を継承していく。橘美頼の死後、その力を受け継いだのは…橘社長の兄である、橘頼愛さんだった」
「親父の兄…亡くなった叔父さん、ですか?!」
ーーー美頼の死後、『夢殿』が継承された。
次代の『夢殿』は、美頼の孫である、当時中学生の男子。
当時、巷の世界ではセンセーショナルな話題だった。
それは、陰陽師の総本山でも。
「…陰陽師の総本山でも?…陰陽師と関係あるんですか?」
「我々陰陽師大和総本山は、各界の能力者を把握管理しているし、ましてや『夢殿』は、失踪した身であることも含め、その存在、能力故に争奪の諍いが起きる可能性がある。…だから、橘美頼のことは、陰ながらにも護衛していたという経緯があってね」