俺のボディガードは陰陽師。~第四幕・夜に抗う~
山一つ消滅容易いって…おいおい。
魔族よりも恐ろしいじいちゃん?…や、やるな。
「早急にこの件を調べ、頼愛の死因を突き止めろ。早急に士朗に護衛を着けろ!…って、鬼のような勢いだったらしい。止めに入った陰陽師一人、放り投げられている」
「えっ!す、すみません…」
俺には関係のない事項ではあるが、身内が暴挙を働いていたとなれば、思わず謝罪をしてしまう。
じいちゃんってば…。
「…しかし、その件と他に。蒼士殿と陰陽師総本山側には危惧があった」
「危惧?それはどういう…」
「『夢殿』は死を以って、力を次代に継承していく。…ひょっとしたら、次の『夢殿』継承者が現れるかもしれない」
次の『夢殿』継承者は…弟である士朗が有力だ。
そう踏んだ陰陽師総本山は、橘家に士朗の護衛の陰陽師を送り込む。
それが、音宮優。
陰陽師の小学校の育成課程を終え、総本山で陰陽師業に従事していた、士朗と同じく齢12の少年だった。
しかし、音宮優は、ただの少年陰陽師ではない。