俺のボディガードは陰陽師。~第四幕・夜に抗う~
音宮優は、とある特殊な一族、音宮家の当主であった。
日本の陰陽師を取り仕切る『陰陽師大和総本山』は、主に大所帯の大和一族の者が在籍しているが。
傍系、稀少価値の一族も中にはいる。
音宮家は、諜報、密偵、護衛に優れた『隠密』の一族。
かつて江戸の時代、陰陽師ながらもあの隠密御庭番にも籍を置いていたと言われている。
そして、『守護神』を祀る一族。
陰陽師の一族の中でも、この『音宮家』と『硯家』は、祀る守護神と契約の特権があり。
当主は必ず『神童』となる。
『神童』とは本来、本体の人間が守護霊の力を大きく上回ってしまった者が、守護神と契約するとされていたが。
この二家は、祀る守護神との結び付きが強く、血統で守護神を繋いでいくという、稀な一族だった。
そんな一族の若き当主、優。
陰陽師としても『神童』としても非常に優秀であり、この依頼に…『夢殿』の護衛に最も適した人材とされ、札幌の橘家へと送られ、士朗と食住を共にすることになった。
18歳までの期限付きとして。