俺のボディガードは陰陽師。~第四幕・夜に抗う~


「…18歳までの期限付き?って、何で18歳なんですか?」

「当時、橘社長は『夢殿』を継承する確率が高い、というだけで、継承されているかどうか監視する必要があった。夢見の能力の発覚、覚醒時期って主に十代の思春期とされているんだよ。…もし、橘社長が『夢殿』を継承していないということになれば、万事めでたし、護衛は不要になるからね」



そして、結果。

士朗は、18歳を過ぎても夢見の力を覚醒させることも、その予兆もなく。

『夢殿』を継承していないと判断され、優はその護衛の任務を全うする。



しかし、元々総本山の手が届かずにいた、この北海道という地は、結界の整備もされておらず、妖怪悪霊がやりたい放題の土地。

結局、優は任務が終わっても、北海道に留まり、陰陽師業を続けていくこととなった。

士朗のサポートで、会社なんて立ち上げたぐらいにしといて。






「…と、ここまでが、君のご先祖『夢殿』の話と、橘家で起こったこと、優さんが橘家に来ることになった、俺が優さんと橘社長から聞いている話だけど…」

「………」

親父も、知っていたのか。

自分のご先祖さまの話を。

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