俺のボディガードは陰陽師。~第四幕・夜に抗う~
後半は綾小路室長から大体の話は聞いていたから、さほど驚くこともなく落ち着いて聞けたけど。
しかし、まさか自分のご先祖さまが、夢見の姫とやらで、日本軍に抱えられていたとか。
恋に落ちて責務を放棄して逃げたとか。
そこは、言葉を失う過去だ。
…だが。
この話を通して、現在、考えられる可能性があることとは。
予想もしていなかったことだけど、この話の流れからすると…。
(まさか…)
憶測を、拭うことが出来ない。
「…ひょっとして、その『夢殿』を継承しているのが、俺…だってことですか?」
辿り着いた結論を、目の前の菩提さんにぶつける。
まるで、答え合わせをするかのように。
「………」
菩提さんは、俺の目をじっと見た後。
首を深く、縦に振った。
やはり、そうなのか…!
現在、『夢殿』を継承しているのは、俺…!
「…ま、待って下さい!まさか、俺にそんな力なんて!そんな、予知夢を見るなんて力っ…!」
…と、言いかけたところだったが。
その時、少し前に起こった、とある不可思議な現象を思い出してしまう。