俺のボディガードは陰陽師。~第四幕・夜に抗う~
「『夢渡り』の特殊な能力ゆえに、その精神世界への侵入を、まず気付くことは出来ない。…でも、君は気付くことが出来た。能力が不安定がために、暗示にはかかってしまったようだけど」
「そう…なんですか」
「…そこで、確信した。『夢渡り』の侵入に気付くことが出来るということは、ただならぬ人物であるということを。…そして、申し訳ないけど、橘社長の許可の下、ちょっと調査させてもらったよ」
「い、いつの間に!」
「ごめんね?…そして、調査結果を総本山に報告したんだ。そしたら…やはり、君が『夢殿』を継承しているという結論に達した」
「で、でも俺、予知夢なんて…!」
「今はね?『夢見』の力を完全覚醒させてないから。…でも、その予兆と片鱗はある。ヤツと出会ってからの君は、その接触が刺激になったせいか、日に日に霊圧が増していき…さっきも、屋上でヤツ相手に結界を張って応戦していた」
「け、結界?!俺が?!」
「…やっぱ、気付いてなかった?」
「………」
気付くも何も。
そんな意識すら、ありませんでしたよ。
俺が結界とか?
もはや、一般人ではない…!