俺のボディガードは陰陽師。~第四幕・夜に抗う~
少なからずもショックを受けているその様子を、菩提さんは察していたようで、「あははっ」と笑われてしまった。
一般人ではなくなった、笑い事じゃないと思いませんか…!
「…けど、それでいいんだ」
「…え?!」
「『夢見』の力は…覚醒させなくていいんだ。それ以上」
力を、覚醒させなくていい。
理解出来ず、その言葉の意味を探していたが、見つける前にその意図を告げられる。
「現に、こうして今もあのクソヤローに狙われているんだ。その唯一無二の、世界を動かせる力を」
「………」
…やはり、黒い翼の彼が俺を狙う理由は、この『夢殿』の力なのか。
「…もし、その『夢見』の力を覚醒させてしまったのなら、それを付け狙うヤツが新たに現れるかもわからない…人間とか」
「人間が?!」
「例外ではないよ。昔は、内乱も起きていたらしいしね」
「内乱?…いつの時代の話ですかそれ」
「夢見の歴史は結構古いんだよ。…だから、なずなは君の護衛を命じられた。総本山直々に」
「………」
その一言にズシッと重みを感じた。