俺のボディガードは陰陽師。~第四幕・夜に抗う~

fLaShbACk 《前》 ➖side Nazuna➖

☆☆☆








ーーーどこまでも続く、暗闇の中で。



光も射さないし、何の音も聞こえない。

ただ、ただ続く暗闇の中で。



私はただ、寝かされていた。



…あぁ、私。

寝てるんだ。



ここは何処なのかとか、何してるんだろう私、とか。

そこには何の疑問も持たずに、ただ寝てることだけを認識する。




すると今度は、頭の中と瞼の裏に映像が過ぎる。





『なー。Daddyは親父。お、や、じ』

『おーやーじ』

『親父』

『おやじ』

『…よく出来ました。はい、おやつ』

『sweets!…おーやーつ』

『そう。でもDadは親父』

『おやじ』

『…なー?今度からはDaddyは親父って呼ぶんだ』

『うん。おやじ』





幼女が学ランの中学生の膝に座り、カステラを食べている。

おやじ親父言いながら。




これは…昔の剣軌と私だ。




フィリピン人の母を持つ私は、日本に住んでるくせに日本語をあまり理解しておらず。

父の弟子である剣軌に、よくこうして日本語を教わっていた。


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