俺のボディガードは陰陽師。~第四幕・夜に抗う~

ずっと日本で暮らすなら、名前は『リラ』ではなく『なずな』と名乗れるようにしておこう。

そうとも言われていた。



これは…私の一番古い記憶。



それを皮切りに、様々な場面、映像が流し出されて、次々と過ぎっていく。



親父とママの間で布団で眠る場面。

剣軌も含めて、四人で食卓を囲んで笑っている場面。

…ママ、久しぶりに会えた。

この頃が一番幸せだったかもしれない。



剣軌に手を引かれて、初めて親父の仕事を見学しにいった時の場面。

私はこの時、6歳だったけど。

親父が次々に繰り出す『華』の術が、とても綺麗で見惚れて、憧れた。



それから、何度か二人のお仕事に着いていくようになったけど。

二人に感謝するクライアントの笑顔が、とても印象的だった。



人を救うそのお仕事を一生懸命やる、諦めない親父を見て。

いつか私も、親父のような陰陽師になりたいと思った。




それを志して修行のため、八歳にして親元を離れて総本山に住み込む。

家族と離れるのは寂しかったけど、同じく陰陽師を志した仲間と暮らす毎日は、楽しかった。


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