俺のボディガードは陰陽師。~第四幕・夜に抗う~
きっと、気付く。
小さな幸せが、そこらに転がっていること。
ありきたりな喜びを見つけられる事が、幸せだということ。
(…しょうがねえな)
闇に落ちてしまいそうになったら、その手を引いてやる。
私が思い付く限りのやれることを、やってやる。伝える。
…最後には社長とドーン!と話し合わせてやるか。けけっ。
…そうして、彼に取り憑いた悪霊の退魔調伏を終え、私は橘家を去る。
学校で、彼の心からの笑顔を見ると、私は少しでも力になれたのかな?なんて、嬉しくなってしまう。
こんなことがあるから、この仕事は良い。
闇に落ちて笑えない日々を過ごす誰かの笑顔を蘇らせる。
じゃあな?伶士。
これからはもっと幸せが待っている。
幸せに、なれ。
その笑顔を目に焼き付けて、私は前を向く。
…しかし、私達の物語はこれで終わりとはいかなかった。
《じゃ、明日学校で》
《また明日な?》