俺のボディガードは陰陽師。~第四幕・夜に抗う~
『優のこともあり気を張る事態の中、大変でしょうが、今回は調査の結果を二人にお伝えしたいと思います』
『………』
調査?…何の?
横にいる剣軌の顔を伺うが、顔色を変える様子はない。
…こいつ、何か知ってるな。
しかし、御館様に直接問うのは不敬に当たるので、黙って続きに耳を傾けることにした。
だが、これから御館様が口にする結果報告は。
まさに、寝耳に水。
予想の範疇を遥かに超えていた。
『剣軌の報告と、こちらで独自に調査した結果…橘伶士殿は、『夢殿』の正統なる継承者である事がわかりました』
『………』
今、何て…?
頭が一瞬、真っ白になった。
何で御館様の口から伶士の名前が出てくるのか。
『夢殿』…?
…総本山小学校の歴史の時間で、聞いた事がある。
平安時代から続く、皇族お抱えの夢見の一族。
女子のみとされていた夢見の力を、男子にも継承することの出来る唯一の一族で、その能力は最高峰とされ、天皇家を導いてきた。
近年は、戦争の勝利を導いたと言われていたが、戦争の最中に突然失踪し、その行方は知れずとされてきた。