俺のボディガードは陰陽師。~第四幕・夜に抗う~
「話?道議会議員さんが?橘建設の社長に?」
「桜谷は学園の一つ下の後輩だし。それに、下の子と伶士が同級生なんだよ」
「ほぉー。パパ友ですか?お子自慢とか?」
「…いや、話は子供のことじゃない。ちょっとした噂が永田町で流れてるってな」
「永田町?…国政ですか?」
橘社長は頷く。
「…超国家主義の連中が、『夢殿』について騒ぎ始めてるって話」
思わぬ展開の話に、綾小路だけではなく、哲太も風祭も絶句してしまう。
「って、右翼…?」
「何故、桜谷先生が…?」
「あいつんち、祖父と叔父が総理大臣だったのよ。『夢殿』の話は知ってる。俺の祖母と…兄貴が『夢殿』だったってことも」
「へぇ…」
「桜谷は、衆院にいる従兄弟から聞いたそうだ。で、自分も国政に出たほうが良いのか何なのかって」
「それはそれは随分話が飛躍しますね」
「事実を知ってる以上、聞こえないフリ出来ねえんだろ。この件で行く道判断するなとは言っといたけど。責任感は強いからな?」
いろいろな思いが、ため息となって出る。
「…この国を動かすのに『夢見』はもういらない」