俺のボディガードは陰陽師。~第四幕・夜に抗う~

「剣軌、夏輝と桃李は東京戻っちゃうし、櫂太も仙台に行ってしまう。雨宮ゆずらは出産したばかりだし、戦力は大幅に減るけど…でも、俺が近くにいることを忘れずに」

「ありがとう哲太。でも、国試今年でしょ」

「あんな試験はちょろいから気にしないで」

「ちょっとちょっとボス。一番身近にボクという神童いるじゃないっスカ」

「ははは」



みんなも自分と同じように、剣軌のことを案じている。

それを放ってまでも、復讐の鬼になれるのか?

復讐心に駆られて、周りが見えなくなってしまわないよう…祈るしかないのか。

見守っていかなくてはならない。



(優…こんな時、おまえならどうする?)



彼なら、体張ってでもやめさせるような気がするんだけど…。



(やれやれ。俺もまだまだだ…)





「…って、なずなの容態は大丈夫なのか?入院って」

「社長、そこは大丈夫ですよ。体力が回復し切れなかったので、二週間ほど療養するだけです」

「二週間…なずな大丈夫なの?容態ではなく、入院生活…。発狂するんじゃ」

「そこは全然大丈夫じゃないと思う。ま、今回の多少無茶な行動のペナルティとして?」

「鬼です、ボス」







< 480 / 528 >

この作品をシェア

pagetop