俺のボディガードは陰陽師。~第四幕・夜に抗う~
「剣軌、夏輝と桃李は東京戻っちゃうし、櫂太も仙台に行ってしまう。雨宮ゆずらは出産したばかりだし、戦力は大幅に減るけど…でも、俺が近くにいることを忘れずに」
「ありがとう哲太。でも、国試今年でしょ」
「あんな試験はちょろいから気にしないで」
「ちょっとちょっとボス。一番身近にボクという神童いるじゃないっスカ」
「ははは」
みんなも自分と同じように、剣軌のことを案じている。
それを放ってまでも、復讐の鬼になれるのか?
復讐心に駆られて、周りが見えなくなってしまわないよう…祈るしかないのか。
見守っていかなくてはならない。
(優…こんな時、おまえならどうする?)
彼なら、体張ってでもやめさせるような気がするんだけど…。
(やれやれ。俺もまだまだだ…)
「…って、なずなの容態は大丈夫なのか?入院って」
「社長、そこは大丈夫ですよ。体力が回復し切れなかったので、二週間ほど療養するだけです」
「二週間…なずな大丈夫なの?容態ではなく、入院生活…。発狂するんじゃ」
「そこは全然大丈夫じゃないと思う。ま、今回の多少無茶な行動のペナルティとして?」
「鬼です、ボス」