俺のボディガードは陰陽師。~第四幕・夜に抗う~
『おい、おまえ。あの写真たちは何だ』
早速本題を口にする、受話口の向こうのなずなの声は低い。
ひょっとして、キレてる系か。
「…え?何って。なずなの秘密だろ」
『シマッピ先輩の写真はともかく、後の二枚は何なの!どこで手に入れた!』
シマッピ先輩…。
何だ?そのマヌケな呼び名…!
いかにもなネーミングに吹き出しそうになったが、そこは堪えて答える。
「いや、実は俺…探偵雇ってんだ?で、面白写真撮ってきてもらった」
『面白写真?ふざけるな!このおフザケお坊っちゃまがぁっ!しょうもない探偵の使い方しやがって!』
あからさまにふざけたことを言ってぬかすと、ヤツの声が張り上がっているのがわかる。
怒ってる…怒ってるぞ!
突然怒られると恐いものがあるが、確信犯だとこれだけ喜ばしいものとは。
『消せ!今すぐ消せ!抹消しろ!もしスズチカらに見せたら、おまえの命危ないぞ!…消せえぇぇぇっ!』
「わははは」
『不自然に笑って誤魔化すな!この誤魔化しお坊っちゃま!』
「…じゃあ、告白の返事くれたら消す」
『………』
核心に迫ると、急に黙り込みやがった。