俺のボディガードは陰陽師。~第四幕・夜に抗う~

『おい、おまえ。あの写真たちは何だ』



早速本題を口にする、受話口の向こうのなずなの声は低い。

ひょっとして、キレてる系か。



「…え?何って。なずなの秘密だろ」

『シマッピ先輩の写真はともかく、後の二枚は何なの!どこで手に入れた!』



シマッピ先輩…。

何だ?そのマヌケな呼び名…!

いかにもなネーミングに吹き出しそうになったが、そこは堪えて答える。



「いや、実は俺…探偵雇ってんだ?で、面白写真撮ってきてもらった」

『面白写真?ふざけるな!このおフザケお坊っちゃまがぁっ!しょうもない探偵の使い方しやがって!』



あからさまにふざけたことを言ってぬかすと、ヤツの声が張り上がっているのがわかる。



怒ってる…怒ってるぞ!

突然怒られると恐いものがあるが、確信犯だとこれだけ喜ばしいものとは。



『消せ!今すぐ消せ!抹消しろ!もしスズチカらに見せたら、おまえの命危ないぞ!…消せえぇぇぇっ!』

「わははは」

『不自然に笑って誤魔化すな!この誤魔化しお坊っちゃま!』

「…じゃあ、告白の返事くれたら消す」

『………』



核心に迫ると、急に黙り込みやがった。



< 50 / 528 >

この作品をシェア

pagetop