俺のボディガードは陰陽師。~第四幕・夜に抗う~
「俺が爆ギレだろうがおフザケだろうが誤魔化しだろうが、どんなお坊っちゃまになろうが、考えてくれないと困るんだよ」
『か、考えてるって!』
「本当か?俺がこうして連絡するまで忘れてたんじゃねえのか?」
『わ、忘れてないって…』
「秘密の写真出されて都合悪いから出任せ言ってんじゃねえだろな」
『そんなことないぃぃ…』
なずなの声が、段々小さくなってきているのがわかる。
最後の方は、何となく弱気になってるようにも思えた。
『考えてるよ、ちゃんとぉぉ…』
本当かよ。
そう言いながらも騙し討ちで逃亡されたという前歴があるから、信頼度はかなり低い。
しかし、何で弱気の声になっている。
ヤツが減俸以外の事にビビってるとか、あり得ないぞ。
立場逆転の優越感は、気分が良いけど。
「じゃあ、いつ返事してくれるんだよ」
興奮がちに責め立て気味だった呼吸を落ち着かせるつもりで、咳払いをする。
だが。
『………』
ヤツはまた無言になった。