俺のボディガードは陰陽師。~第四幕・夜に抗う~
大ダメージの攻撃をくらったような叫び声を発した後。
ヤツは、ずーんと落ち込んでいる。
え?キャンセルしただけで、こんなにしょぼんとする?
ったく。
話は最後まで聞け。
「…また予約する。なずなが退院したら」
「え?…ほ、ほんと?ほんとか!」
「うん。俺達の初デートで。な?」
「………」
何だ?今度は急にモジモジしやがった。
改まるとダメ系なの?
でも、そんななずなを見ていると、ひしひしと感じる。
《そいつのために、自分にしか出来ないことは何か。それを常に考えておけ》
自分にしか出来ないことは、何か。
ようやく解りかけているような気がする。
どんな形でもいい。
俺は、一番大切な人を護りたい。
大切にしたい人に、何を捧げれば成し得ることが出来るのか?
その方法は、まだわからないのだけど…でも。
もし、それが無理だというのなら。
俺は、運命の歯車に抗う。