俺のボディガードは陰陽師。~第四幕・夜に抗う~

大ダメージの攻撃をくらったような叫び声を発した後。

ヤツは、ずーんと落ち込んでいる。

え?キャンセルしただけで、こんなにしょぼんとする?



ったく。

話は最後まで聞け。




「…また予約する。なずなが退院したら」

「え?…ほ、ほんと?ほんとか!」

「うん。俺達の初デートで。な?」

「………」



何だ?今度は急にモジモジしやがった。

改まるとダメ系なの?



でも、そんななずなを見ていると、ひしひしと感じる。




《そいつのために、自分にしか出来ないことは何か。それを常に考えておけ》





自分にしか出来ないことは、何か。

ようやく解りかけているような気がする。




どんな形でもいい。

俺は、一番大切な人を護りたい。




大切にしたい人に、何を捧げれば成し得ることが出来るのか?

その方法は、まだわからないのだけど…でも。

もし、それが無理だというのなら。

俺は、運命の歯車に抗う。




< 525 / 528 >

この作品をシェア

pagetop