俺のボディガードは陰陽師。~第四幕・夜に抗う~

何故そこで無言になるんだ。

歯切れ悪っ。

らしくない。



ったく、普段あれだけ勢いのあるヤツが、こんな情けない声出して…。

…いや、俺が悪いんですけど。

今、どんな顔してんだか。

相手の表情が見えないって、やっぱり話を進めづらい。



やっぱり…会って話がしたい。



「…じゃあ、今度いつ空いてんだよ」

『えっ!…あ、えっと』

「肉食いに行くんだろ?今月いっぱいは忙しいんだっけ…じゃあ4月か?」

『う、うん』

「予定、もうわかんの?」

『あ…4月ならいつでも』

「じゃあ店予約したら連絡するから」

『う、うん』

「…それまでに考えといて。返事」

『…うん』



うん、だなんて。

何でそんなに乙女みたいに可愛らしくなってんだよ。

俺のあの告白で、おもいっきり動揺し、意識されているのは間違いない。



でも…そんな乙女の姿が。

現時点では、俺にしか見せてない姿なのだとしたら。



それも、悪くはない。



そう思うと、優越感でニヤニヤが止まらないのも無理はない。


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