俺のボディガードは陰陽師。~第四幕・夜に抗う~
チカの何気ない報告に、瞳真くんは無表情ながらもピクッと反応する。
「え。マジ。いーな。酸素カプセル入りに行くの。いーな。俺も行きてー」
「…え?!伶士んち酸素カプセルあるんですか?!」
「おー。すげーいーの」
ちょっとちょっと、俺の幼なじみ。
あんたの俺んちに行く目的、だいたいそれ?
いつも軽く小一時間はそこで昼寝してるよね。
「っつーか、水口さん、伶士んち行ったことあるんすか」
「おー。あるある。何回も。おまえら迷子になるなよ?フツーの民家じゃねえから」
「迷子?いや、大豪邸とは聞いてますけど…」
「何か知らねえけど、フツーの民家のはずなのに、男子トイレと女子トイレある」
「えぇっ!それ、フツーの民家じゃないでしょ!」
ちょっとちょっとちょっと。
そんな前情報やめてもらえますか。
立ち入る前に萎縮させるの、やめてもらっていいですか。
すると、この幼なじみは調子に乗ってとんでもないことを言い出した。
「っつーか、俺も一緒に行くかな」
「…えっ!」