俺のボディガードは陰陽師。~第四幕・夜に抗う~
「…ねえ、車ホント大丈夫?執事さんに連絡した?ね?ね?」
「大丈夫だって。さっき着いたって連絡来てたから」
地下鉄乗る前にもうすでにね。忠晴せっかちだから。
しかし、美森もしつこいぞ。
…だが、地上に出た俺達を待ち受けていたものとは。
「あっ…」
「う、嘘っ…」
「えっ…」
地下鉄の出口を出たところ。
目の前に堂々と路上駐車してあるデカいブツに、みんな足を止めては絶句してしまった。
しかし、一人だけ、ドン引きではなく興奮しているヤツがいる。
「…うぉぉぉ!リモじゃ!リムジンじゃあぁぁ!」
「むー?!なぜそんな急に興奮してる?!」
目をキラキラさせて、興奮気味にデカいブツ…我が家のリムジンを見つめるのは、川村だ。
ホント。何で興奮してんの?
…そして、堂々と路駐して車線一本占領し、ドライバーにとってかなり迷惑な我が家のリムジンの横には。
「お帰りなさいませ、伶士さま」
「………」
そのデカいブツの横には、いかにも執事な燕尾服を着て、ツラッとこいて良い姿勢で立っている、我が家の執事、忠晴が…。
姿勢良すぎるわ!