俺のボディガードは陰陽師。~第四幕・夜に抗う~
「…あ。…あぁっ!」
だが、俺が口を開く前に美森は気付いてしまったようだ。
「…おじさん!…あの、試合にいつも現れる一眼レフのおじさんだぁっ!」
「マジ?…あ、あっ!」
二人揃って気付いてしまった。
そう。
忠晴は、ウチの執事という身分を隠して、俺の試合はかかさず見に来る。
部のみんなには『正体不明の追っかけおじさん』と周知されていたが。
とうとうバレてしまった。…もう、いいんだけど。
「おじさん、伶士んちの執事さんだったんだね…」
「隠しててごめん…」
「いや、身元判明してよかったよ…」
「………」
美森の謎がひとつ晴れてよかったと思うしかない…。
そして、騒ぎも一段落終え、みんなでリムジンに乗る。
だが、リムジンに乗り込むと豪華な内装にまたしてもチカと川村が興奮していた。
「うぉぉぉ!広っ!…頼む!わっち真ん中に、上座に座らせてくれぃ!…スズチカ、写真撮ってくれぃ!」
「むー!上座に座るより、俺の膝の上に座れ!セレブ気分味わうぞ!」
「…えぇい!おまえの膝に座ったところでセレブ気分ではない!エロいコスプレパブ嬢気分だわ!」
「…チカ!川村!人んちの車の中ではしゃぐな!…伶士、ごめん!」
「いや、いいよ…」