俺のボディガードは陰陽師。~第四幕・夜に抗う~
そんな俺の前に現れたのは、颯太。
俺の顔色を伺ってるのか、恐る恐るとこっちを見ている。
目が合うと、へへっと笑いかけてくるが。
あからさまに、不自然だ。
「どうした」
「今日、部活無いだろ?どっか…行く?」
「………」
「は、話聞くけど…」
話を聞くって…。
これ…ひょっとして、気を遣われてるのか?
さっきの俺の無気力な様子を見て、颯太は俺がなずなに告白してフラれたもんだと思ってるようだ。
「…颯太。俺、フラれてないよ」
「え?」
「告白したけど、いろいろあって返事がうやむやになっちゃっただけだ。別件でボーッとしてただけ。ごめん。気にすんな」
「あ、そうなの?」
「それに、これからちょっと用事があるんだ。だからまたの機会に。それに明日、ウチに来るだろ」
「わ、わかった…」
「気を遣わせてごめん。じゃ」
「お、おう!」
颯太は戸惑っていたが、俺が思ったよりも大丈夫だとわかったのか。
最後は不自然ではない、本当の笑顔で送り出してもらった。
良い友人を持ったよ。俺は。