俺のボディガードは陰陽師。~第四幕・夜に抗う~
そう。俺はフラれてない。
でも…。
《…あの黒い翼の男に狙われた俺を、優は庇って…》
《…優は俺のボディガードだ》
ダメになるかも…しれないけど。
なずなの父親は、俺も昔からよく知っている親父の親友、音宮のおじさんで。
音宮のおじさんが、俺の親父のボディガードだった。
親父を護って、おじさんは三年間も入院するほどの重傷を負った。
俺の親父のせいで、なずなの父親が…。
…これは、紛れもない事実だ。過去だ。
なずなは、どう思ってるのか。
自分の父親が犠牲となった者の息子のボディガードをするなんて…どんな思いだったのか。
それを考えると、自分自身にブレーキがかかる。
身体中が、罪悪感に付きまとわれていくんだ。
罪悪感に付きまとわれ…。
「…ようやく来たな?!心の友よぉぉっ!」
「わわっ!…チカ!」
教室を出るなり、俺の前に立ちはだかったのは、俺より身長の高い大男。
ジャイアニズムたっぷりの俺の友人だった。