俺のボディガードは陰陽師。~第四幕・夜に抗う~

「待ってたぞぉぉっ!心の友よぉぉっ!」



迫力たっぷりのうるさい大声を出して、俺の肩に乱暴に腕を回してくる。

その顔はニヤニヤニヤニヤ…悪意たっぷりだ。

その笑み、ひょっとして。

チカも昨日の事を嗅ぎ付けたか…!



「んー?王子、何かおもろいことになってんねー?リンリンの次はなずぽよ?ん?…で、廊下の真ん中で愛を叫ぶ?ん?ホントホント?」



め、めんどくさっ。



「ち、チカ。俺ちょっとこれから約束あるから、急いでるんだ」



そう言って、さりげなくチカの腕を振りほどこうとした。

が、チカは「逃がさぁーん!」と、それを許さず強引に肩を引き寄せ直してくる。



「わっ!…痛いって!」

「で?で?事の真相を教えてくれ?フラれたのか?何があった?王子もフラれることあるのー?!ぷぷっ」

「ふ、フラれてないって!」

「え、マジ?じゃあ付き合ってんの?マジ?マジ?」



逃げようとする俺、それを制止するチカ。

しばらくジタバタゴタゴタと、揉み合う。

プチキャットファイト。

< 9 / 528 >

この作品をシェア

pagetop