俺のボディガードは陰陽師。~第四幕・夜に抗う~
「待ってたぞぉぉっ!心の友よぉぉっ!」
迫力たっぷりのうるさい大声を出して、俺の肩に乱暴に腕を回してくる。
その顔はニヤニヤニヤニヤ…悪意たっぷりだ。
その笑み、ひょっとして。
チカも昨日の事を嗅ぎ付けたか…!
「んー?王子、何かおもろいことになってんねー?リンリンの次はなずぽよ?ん?…で、廊下の真ん中で愛を叫ぶ?ん?ホントホント?」
め、めんどくさっ。
「ち、チカ。俺ちょっとこれから約束あるから、急いでるんだ」
そう言って、さりげなくチカの腕を振りほどこうとした。
が、チカは「逃がさぁーん!」と、それを許さず強引に肩を引き寄せ直してくる。
「わっ!…痛いって!」
「で?で?事の真相を教えてくれ?フラれたのか?何があった?王子もフラれることあるのー?!ぷぷっ」
「ふ、フラれてないって!」
「え、マジ?じゃあ付き合ってんの?マジ?マジ?」
逃げようとする俺、それを制止するチカ。
しばらくジタバタゴタゴタと、揉み合う。
プチキャットファイト。