俺のボディガードは陰陽師。~第四幕・夜に抗う~

母さんの挨拶も慣れたもんだな、と感心していると、中へ案内される。

お祝いの花があちこちに飾られ、斬新なデザインの照明、シンプルだけど高級感のあるソファーやテーブルが並ぶエントランス。

そんなには広くはないはずなのに、広く感じるのは何でだろう。

これからセレモニーが行われるからか、とりあえず人、人。

カメラを携えているのは、マスコミだろうか。

辺りを観察しながら、母さんの後を着いて歩いていると、麗華さんが従業員を伴って現れた。

陽が昇っているうちのセレモニーだからか、ワンピースの上にジャケットを羽織ったシックな出で立ちをしている麗華さん。

こっちに向かって小さく礼をしている。



「…橘のおばさま、本日はお忙しい中のご参加ありがとうございます!」

「あら麗華さん、お久しぶり。こちらこそお招きありがとう」

「伶士さんも…頼智も、ありがとうございます」

頭を下げられ、慌てて「ほ、本日はおめでとうございます…」と、お祝いの挨拶をしたが。

麗華さん、兄貴の名前を口にした時だけ声低くなった。
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