缶コーヒー
冬の夜
君は「寒いね」と
白い息を吐きながら
自動販売機で缶コーヒーを買っていた
買ったばかりの缶コーヒーを
君は両手で握り
「暖かいね」といつも笑って言った
僕は「良かったね」と言いながら
笑顔の君を見ていた
それでも君の肩が震えているのが見えた
僕は首に巻いてあるマフラーをとり
君の首に巻いてあげる
恥ずかしくて僕は何も言えなかった
「ありがとう」と言って君は僕の手を握ってきた
寒い夜のはずなのに
全身が暑くなった
僕達の冬はこのように過ぎてゆく
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