記憶シュレッダー
☆☆☆
「あのシュレッダーは、確かに魅入られるものがあるよね」
リビングに移動してきてひとまず落ち着いたとき、蒔絵がポツリと呟いた。
「蒔絵も、そう思う?」
「うん。1度使うと何度も使いたくなるんだと思う」
その言葉にあたしは床に横になっている由香里へ視線を向けた。
シュレッダーから無理やり引き離された由香里は呆然としてしまったのだ。
「そんなこと言わないでよ。あたしはもう2度も使っちゃってるんだから……」
あたしは自分の体を抱きしめた。
あんなおかしな機械を2度も使ってしまったなんて、自分でも信じられなかった。
記憶もなくなっているから、自分が使ったという事実を否定したくて仕方なかった。
でも、事実をしっかりと見つめないと解決には至らない。
「由香里が正気に戻ったら、敦子のお祖父ちゃんに会いに行こう」
「そうだね」
もう、それしか方法はない。
あたしはそう思ったのだった。
「あのシュレッダーは、確かに魅入られるものがあるよね」
リビングに移動してきてひとまず落ち着いたとき、蒔絵がポツリと呟いた。
「蒔絵も、そう思う?」
「うん。1度使うと何度も使いたくなるんだと思う」
その言葉にあたしは床に横になっている由香里へ視線を向けた。
シュレッダーから無理やり引き離された由香里は呆然としてしまったのだ。
「そんなこと言わないでよ。あたしはもう2度も使っちゃってるんだから……」
あたしは自分の体を抱きしめた。
あんなおかしな機械を2度も使ってしまったなんて、自分でも信じられなかった。
記憶もなくなっているから、自分が使ったという事実を否定したくて仕方なかった。
でも、事実をしっかりと見つめないと解決には至らない。
「由香里が正気に戻ったら、敦子のお祖父ちゃんに会いに行こう」
「そうだね」
もう、それしか方法はない。
あたしはそう思ったのだった。