記憶シュレッダー
あたしがお祖父ちゃんのことをシュレッダーにかけるなんてありえない。


両親が亡くなってから今までずっと2人で生きて来たんだから!


「シュレッダーを使った記憶は失われるんだから、可能性はあるよね?」


更に由香里が言う。


あたしは言い返そうと思ったが言葉が出てこなかった。


「お祖父ちゃんの容態が急変して、それを受け入れたくなくてシュレッダーで記憶を消しちゃったんだよ!」


「うるさい!!」


あたしは由香里へ向けて怒鳴っていた。


グッと拳を握りしめ、小さく震えながら。
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