記憶シュレッダー
購入時~祖父サイド~
ワシがあのシュレッダーを見つけたのは今から20年も前のことだった。
その頃にはまだ敦子は生まれていなくて、敦子の両親は結婚して1年目を迎えたばかりだった。
2人はワシの家の近くにアパートを借りてつつましく生活をしていた。
それでも、月に1度は家族で集まり、食事などをする関係だった。
いずれ、一緒に暮らせばいいと考えていたころだった。
家の近所には中古ショップがあって、ワシはそこの常連客だった。
「大吉さん、また来たのか」
ワシが店に入るなり、すっかり顔なじみになった店主が顔のシワをクシュクシュにして笑いかけてくる。
この男はワシと同い歳くらいのはずだけど、随分と年を取って見えた。
「あぁ。仕事帰りなんだ」
答えながら店の商品へ視線を向ける。
その頃にはまだ敦子は生まれていなくて、敦子の両親は結婚して1年目を迎えたばかりだった。
2人はワシの家の近くにアパートを借りてつつましく生活をしていた。
それでも、月に1度は家族で集まり、食事などをする関係だった。
いずれ、一緒に暮らせばいいと考えていたころだった。
家の近所には中古ショップがあって、ワシはそこの常連客だった。
「大吉さん、また来たのか」
ワシが店に入るなり、すっかり顔なじみになった店主が顔のシワをクシュクシュにして笑いかけてくる。
この男はワシと同い歳くらいのはずだけど、随分と年を取って見えた。
「あぁ。仕事帰りなんだ」
答えながら店の商品へ視線を向ける。