記憶シュレッダー
沢山の親戚の人たち。


真っ黒な服の集団。


祭壇に飾られた花と両親の写真。


それらが鮮明に思い出され、写真が両親のものから祖父のものに変換され、鳥肌が立った。


お祖父ちゃんもあんな風になってしまうの?


あたしを置いて、行ってしまうの?


考えた瞬間、言い知れぬ恐怖が襲いかかってきた。


このままじゃ、あたしは本当にひとりぼっちになってしまう!


「お祖父ちゃん、しっかりして!!」


あたしは大声で叫びながら、電話へと走ったのだった。
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