記憶シュレッダー
「それより、なにか面白い商品は入ってないのか?」


「今日来たのはそのシュレッダーくらいだ」


指さされた先を見てみると、大きなシュレッダーが床に無造作に置かれていた。


「これは業務用か?」


ワシはシュレッダーに近づいて聞く。


「あぁ、そうだよ。でもなぁ、なぁんかへんなんだよ、その機械」


「変?」


「近づいてみて、何も感じないか?」


その質問にワシは首をかしげた。


その場にしゃがみ込み、シュレッダーに触れてみる。


瞬間、電流が体を貫いていた。


今まで感じたことのない衝撃が、指先から全身へと駆け巡っている。


ワシは目を見開いてシュレッダーを見つめた。


「これは一体……」


「な? なんとも魅力的だろう? まるで全裸の女がそこに立ってるみたいだ」


店主はそう言って下品な笑い声をあげた。
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