記憶シュレッダー
「お祖父ちゃん、あのシュレッダーはどうすれば止めることができるの?」


あたしはすがるような気分で聞く。


「それはワシにもわからん。ただ、もうバラバラに壊して捨ててしまおうと思っていた。その時に入院してしまったんだ」


「そうだったんだ……」


「そ、それなら。バラバラにしてみようよ!」


蒔絵が言う。


「分解して捨てたら、もしかしたらシュレッダーから解放されるかもしれないんですよね!?」


「そうだ……。でも、必ずそうなるとは限らない。なにせ、誰もやったことがないことだからなぁ」


お祖父ちゃんはそう言うと、苦しげに息を吸い込んだ。


「もしかして、あのシュレッダーがあるから、あたしに部屋に入るなって怒ってたの?」


その質問に、祖父は苦しげな表情で頷いた。


お祖父ちゃんは必死であたしを守ってくれていたのだ。
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