記憶シュレッダー
お祖父ちゃんがあたしの手を握りしめ、「敦子は、もう二度とあれを使うな」
「うん……わかってる」
頷くと、お祖父ちゃんの手があたしから離れていく。
その手はグッタリとベッドに落とされた。
「大丈夫!?」
慌てて酸素マスクを付ける。
しかし、お祖父ちゃんの表情は変わらない。
「お祖父ちゃん苦しいの? ちょっと待ってよ、すぐにお医者さんを呼ぶから」
あたしはナースコールに手を伸ばす。
看護師が到着する前にお祖父ちゃんは目を閉じていた。
「お祖父ちゃん聞こえてる? 目を開けて!」
懸命に声をかけるのもむなしく、お祖父ちゃんはもう二度と目を開けることはなかった。
まるで、あのシュレッダーについて話をしたから役目は終わったとでもいうように。
その日のうちに息を引き取ったのだった。
「うん……わかってる」
頷くと、お祖父ちゃんの手があたしから離れていく。
その手はグッタリとベッドに落とされた。
「大丈夫!?」
慌てて酸素マスクを付ける。
しかし、お祖父ちゃんの表情は変わらない。
「お祖父ちゃん苦しいの? ちょっと待ってよ、すぐにお医者さんを呼ぶから」
あたしはナースコールに手を伸ばす。
看護師が到着する前にお祖父ちゃんは目を閉じていた。
「お祖父ちゃん聞こえてる? 目を開けて!」
懸命に声をかけるのもむなしく、お祖父ちゃんはもう二度と目を開けることはなかった。
まるで、あのシュレッダーについて話をしたから役目は終わったとでもいうように。
その日のうちに息を引き取ったのだった。