記憶シュレッダー
怒りの矛先がシュレッダーへ向かう。


あたしは悲鳴を上げながら金槌を振り上げた。


その勢いのままシュレッダーの上へと振り下ろす。


ガンッ!


一度では壊れない。


ガンッ! ガンッ! ガンッ!


何度も何度も続けて金槌を振り下ろすと、シュレッダーはひび割れ、破片が部屋のあちこちに飛んだ。


破片が足に刺さるかもしれないなんて気にせず、ひたすらシュレッダーを叩き続ける。


プラスチック部分が完全に破損し、中の刃が現れる。


それは蛍光灯に照らされてギラギラと輝いていた。


あたしは一旦動きを止めて肩で呼吸を整えた。


この刃がすべての元凶だ。


これを壊さないと意味がない。
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