記憶シュレッダー
☆☆☆

翌日学校へ行くと、まず浩太に驚かれた。


「どうしたんだよ敦子、目の下が真っ黒だぞ?」


「うん……昨日徹夜で勉強したから」


あたしはそう答えて大あくびをした。


「ちょっとやりすぎじゃないか?」


「そんなことないよ。あたし人より勉強できないから、頑張らないといけないし」


徹夜するのはきつかったけれど、おかげでテキストの問題は解けるようになった。


一歩前進した気はしている。


「浩太はサッカー推薦だよね?」


「あぁ。俺も頑張らないとどうなるかわからねぇけどさ」


「浩太ならきっと大丈夫だよ。その辺のプロより上手だもん」


「大袈裟だな」


浩太はそれでも嬉しそうに頬を赤らめて笑う。
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